医学部を休学してケニアへ留学。『幼児教育』と『ランドセル』の可能性とは

インタビューから
医学部を5年生で1年休学し、現在ケニアで留学中の木原 秀将さん。日本の様々な社会課題を解決するためのカギは「幼児教育」と話します。医学生でありながら日本での新しい幼稚園設立を目指しつつ、意外にもランドセル産業に着目している木原さんへのインタビュー。

幼児教育の可能性とは

自分の意見を述べることができないと感じる場面って、学校や職場などで結構たくさんありますよね。しかし、そもそもなぜ私たちはそのように感じてしまうのでしょうか。

「人間が発達するのに重要な幼児期に、相手を理解し、自分の意見を伝え、行動出来る力をつける。幼稚園の中で、そんな自立した人になれる環境を整えられたら、その子供が大人になった時、本当に日本を変える世代を作れるんじゃないかと思っています。」

幼児期は基本的な自律性、社会性がはぐくまれる年齢。幼児期の教育は、今後の人間としての発育に実は影響を及ぼしているかのもしれません。

木原さんが過ごすケニアでは、若い世代が積極的にSNSなどを駆使しながら政治へ参加し抗議したことで、実際に法案が取り下げられています。ケニアの若い世代が自分たちの力を信じ、行動できる理由は何か知るために、ケニアへの留学を決断したそうです。そんなケニアで、日々幼児たちと関わる生活をしている木原さんですが、ケニアの文化の中で気づいたことがあったそう。

幼少期の木原さん。


服の墓場、「ミトゥンバ」。その文化を背景にランドセルづくりに挑戦

ケニアでは、世界から売れ残った古着が輸出され、それらを再び販売する「ミトゥンバ」と呼ばれる洋服たちがありました。確かに、洋服のリサイクルは良いことだ、と思われるかもしれませんが、木原さんはそこに問題意識を持ちます。

「ミトゥンバによってケニアの人たちが売ったり買ったりしていることでひとつの経済が生まれています。しかし、さらに経済成長が必要なケニアでは、自国でモノ作りし販売していく力をつけられたらいいのではないかと思います。」

「ケニアの小学生たちは、ミトゥンバで買った中古のリュックを1、2年使い、壊れたら買い換えているんです。でも日本では丈夫で安全なランドセルを買って、1年生から6年生まで使いますよね。そんなランドセルをケニアで作れたら、ケニアが自国でモノづくりしながら、丈夫で長く使えるものを作れて、ケニア経済にも貢献できるのではないかと思いました。」

ケニアの子供たちのリュック。

ケニアの子どもたちと日々関わる木原さんだからこそ気づく視点。木原さんは、日本人として、子どもたちを思う一人の人間としてできることを考え、行動します。


郷に従うケニアライフ

そんな木原さんは、ケニアにいては郷に従え的な考えから、ケニアの散髪店で坊主に挑戦。木原さんの坊主、とっても似合っています!

ビフォー↓

アフター↓


苦しみたがりな

ケニアではスワヒリ語が第一言語として話されていますが、教育の現場などでは英語も使われるため、都市部では多くのケニア人が英語を使って暮らしています。そのため彼自身、英語やスワヒリ語を日々勉強しながら生活しています。時には言語の壁に苦しむこともあるそうですが、彼は自身のことを苦しみたがりだと話します。

「自分が何かしら苦しい経験をすることで、いつか苦しんでいる子どもたちを助けたいときにその子の苦しみを心から理解できるし、解決策を見つける力になるんじゃないかって思います。だから今は苦しみたいです。」

エンブ(木原さんが暮らす町)の職業訓練校にて。英語とスワヒリ語でコミュニケーションを取る。


日本が好きだから

ほかの国の言葉を使って、日本語の言葉の表現の豊かさに驚いたり、ケニアの食事を食べるからこそ日本食のやさしさに気づいたり。ケニアにいるからこそ、日本が日々好きになります。そんな大好きな日本のために、自分が社会に出てできることを知りたいからこそ、外から日本を見つめ直しています。

『ケニア留学する医学生』・木原 秀将さんがおすすめする「今の僕をつくった本5選」

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