「遠く離れた孫に会いに。」カナダ行きの機内で出会った夫婦―かつみさん・あけみさん

インタビューから
今年の6月、カナダ行きのフライトで隣の席になったあけみさんとかつみさんご夫婦。
機内で意気投合し、なんとお二人は私と同じ県内にお住まいだとわかりました。
たった数時間の出会いだったのに、不思議と初対面とは思えない親しみを感じたのを覚えています。 
そして4か月後、再びお会いしてお話を伺うことに。前向きでエネルギッシュな二人へのインタビュー。

娘のカナダでの結婚―夫婦の日常を楽しくするきっかけに

あけみさん・かつみさん夫婦には2人の娘がいます。その次女さんは数年前にカナダにワーキングホリデーに行き、そこで出会った男性と結婚。今は旦那さんとお子さんと海外生活をされています。

――娘さんがカナダで結婚するという決断について、お二人はどう思いましたか?

あけみ)「さみしいかというと、そうでもなかった。なにより娘は海外に興味がある子だったから、純粋に娘の願いが叶ってよかったと思った。

それに今はビデオ通話やSNSで簡単に娘家族の顔を見ることができるじゃない。娘がYoutubeを更新してくれたりして、それを見るのもとっても楽しみなの。」

私が2人と初めて機内でお会いした6月、お二人はカナダの娘家族の家を訪ね、めったに会えないお孫さんの誕生日をお祝いしたと話してくれました。

かつみ)「普段から画面上ではよく孫と話していたんだ。でも、初めてカナダで自分の孫を見たとき、お人形のようにかわいくて、もはや触れられない、、、!とさえ思ったよ(笑)」

娘の海外移住を悲観的にならずポジティブに捉えた2人。SNSで娘の家族の近況を知ってうれしい気持ちになったり、娘に会いに旅行をしたり。

距離が離れているからこその『つながり方』で、むしろ2人はこの距離感を楽しんでいます。


地域とつながる、『ソフトボール』と『コーラス』。

学生時代は野球や卓球などの球技に親しんでいたかつみさん。
最近、町のソフトボールチームに誘われ、試合ではピッチャーを務めました。

かつみ)「20年以上ぶりにボールを握ったんよ。握った瞬間、ぐわあっと感動してね。本当に驚いた。そして、『これはもうやめちゃいかんな』と思った。」

久しぶりにボールを握った瞬間の感動が忘れられなかったと熱く語るかつみさん。若いころのように思うように体が動かず、衰えを感じる瞬間もあったそうですが、地域の仲間と一緒にスポーツを再開できる喜びは大きいといいます。

あけみ)「私は地域のコーラス部に入っているのよ。今は秋の定期演奏会に向けて練習中。先生がユニークで面白いし、歌うのが楽しくて続けられるの。」

2人はそれぞれ別の地域コミュニティに参加しながら、活動を心から楽しんでいます。家族だけのいつながりにとどまらず、自ら家の外に一歩踏み出し、あらゆる人々とのつながりがあるようです。たくさんの友達に囲まれいることがよくわかります。

家の外に出る動機があることで二人が健康で過ごせる理由の一つになっています。


”ひとり”で楽しむ。

完全に趣味が違うと話すお二人。かつみさんはソフトボール。あけみさんは芸術鑑賞や読書、編み物。

あけみ)「出会ったとき、『かつみさんの趣味なんですか?』って聞いたら、『音楽鑑賞だ。』なんていうから、色々お詳しいのかしらと思ったら、本当は全然聴かないのよ(笑)」

かつみ)「俺は音楽とかはよくわからんからなあ~(笑)」

出会った当時の2人のエピソードになんだかほっこり。

―あけみさんは美術館によく行くと話していましたが、2人では美術館に訪れたりしないのですか?

あけみ)「行かないわね。それぞれで楽しんでるかんじ。」

お互いの趣味を無理に共有せず、別々の趣味を自分だけの時間として楽しんでいるそうです。

また、かつみさんの試合の日には、あけみさんが応援しに行ったり、逆に、あけみさんのコーラスの演奏会には、かつみさんが聴きに行くこともあるそうです。

心地よい二人の距離感がそこにはありました。

あけみさんの編み物の作品


”ふたり”を楽しむ。

そんなお二人ですが、共通の趣味もあります。

それは『お酒』と『野球観戦』。

あけみ)「野球の始まる時間までに、おつまみとお酒を準備するのよ。それでテレビに向かって応援しながら晩酌するのは楽しいですよ。ねえ?」

かつみ)「そうそう。大谷~!!ってね。(笑) いまは体の為にも若いときのようにたくさんは飲まないようにしているけど、昔から私たちはお酒が大好きなんよ。」

日本戦も海外戦も試合をチェックして観ている2人。パワフルな2人の応援する声がありありと想像できました。

また、最近は友達夫婦と4人で麻雀をすることもあるそうです。1人の時間と2人の時間が存在する生活だからこそ、2人での時間は一層楽しく、毎日を彩り豊かにしているのですね。


最後に

今回のインタビューを通して、若い世代、働く世代にも大切な人と過ごすときに実践できるヒントあふれていたように思います。

―1人の時間、2人の時間、他者との時間をうまく日常に溶け込ませる。

仕事や学校があっても、大切な恋人や友達、家族を思いやるタイミングを意識的に作ることが、豊かな毎日を作り上げていく本当のコツなのかもしれません。


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